フェズ始発06:50発マラケシュ行特急は少し遅れて発車。メクネスまではわずか40分ほどの旅なので2等で移動。200Dh出したら180おつり来たってことは、え、たったの20Dhか。
新市街にあるメクネス駅の次が旧市街に近いメクネス・アミール。今夜はメクネスのメディナに投宿予定だが、昼までにローマ遺跡ヴォルビリスと、その近くの聖者の町ムーレイ・イドリスに先にドライヴの予定。
小さな駅舎を出ると目の前にスカイブルーのプチタクシーが待っていたので、ヴォルビリスと告げると、プチタクシーでは郊外に行けないと、古いグレーのメルセデスが道路の両脇に並んだグランタクシー乗り場で降ろされた。
よし、ムーレイ・イドリスで1時間、ヴォルビリスで2時間、締めて300Dhと話がまとまり、別のおじいさんに飛び切り年代物のメルセデスに乗せられ、いざ出発しようとしたらエンジンがうまく掛からない。周りの運転手に押してもらってようやくスタート。人の良さそうなおじいさんの手前、あまり文句言いたくないけど、しかし大丈夫なのか、今日の旅?
悪い予感があたり、この車登り坂でまったくスピードが出ない。ま、時間はたっぷりあるんでいいけど。
運転手のおじいさんに何やらフランス語で問いかけられ、ジャポネと答えたら、興奮してワーワーしゃべってたけど、かろうじて「テクノロジー」だけ聞きとれた。褒められたらしい、たぶん。
そうこうするうち、フロントガラスに張り付いて動かないワイパー越しにムーレイ・イドリスの町が丘の上に見えてきた。タクシーは町中に入れないと市場の前で降ろされ、町に歩いて入ると全く車が走ってない、道路には人とロバだけ。静かな町の中を、モスク眺めたり、丘の上から周り眺めたりしながら散歩。
そしていよいよヴォルビリスへ。モロッコには全部で8つのユネスコ世界文化遺産があるけど、そのうち7つは現在でも人が住んでいる旧市街か村で、ヴォルビリスは中でも唯一発掘された古代遺跡。オリーヴと葡萄畑の中にぽっかり現れた駐車場に車を止めると、タハルと名乗るハリウッド映画で兵士役を演じてそうな精悍なおじさんにガイドは要らないか?と話し掛けられる。値段を聞くと、法定料金150Dhとのことでお願いしたら、彼はこの後1時間半しゃべりっぱなしになった。もちろん彼としてはアラビア語かフランス語の方が得意なんだろうけど、聞きやすい英語で話してくれた。
まず駐車場から階段を降りると、そこには石の碑文やコリント式柱頭などが展示されている。この地には紀元前7世紀ごろから人が住み始め、紀元前2世紀ごろにローマ人が入ってきて、2万人が住む大都市だった、とのこと。タハルはここで壁の航空写真を見せながら、町がどのように区画され、正門から3つの噴水と繋ぎながら下町までどう水道を整備していたかを丁寧に説明した。
町の中央通りに出て、西のカラカラ帝凱旋門を見る。道路下に下水道が通っているのが分かる。
ここでは保存状態のよいローマ神話を題材にした床のモザイク画の数々も見応えがある。
タハルの説明のお蔭で、遺跡を見るというより、ここで実際に住み、店を構え、風呂に入った人々の暮らしを想像しながら観光が楽しめた。
ちょうど昼時に、おんぼろメルセデスでメクネスのメディナに戻り、メインストリートで宿を取る。窓があっていい部屋だと思ったら、お蔭で夜はめちゃ冷えた。
歴史地区まで歩いてすぐ。
広場でランチして、スークを歩く。
人の多い
マラケシュとちょっと危ない
フェズの後だっただけに、のんびりしたメクネスの町はとても気に入った。
夕食は屋台でお約束のサンドイッチ。
今日もごちそうさまでした。