ディワリのダージリン散歩

10月末にディワリの連休というのが来た。ヒンドゥーの正月、光の祭典らしい。印度に移ってきたばかりの3月にちょうどホーリー、色の祭典というのがあって、まだ右も左もわからない僕は3日間ホテルの部屋に閉じこもった悪い思い出があり、今度はどこかに脱出せねばと、お茶の産地として有名なダージリンに行くことに決めた。10月あたままではまだ山がきれいに見えず、寒さが厳しくなる前の10月末から11月前半がちょうどダージリンのベストシーズンだとの話だった。

ネットでダージリン行きフライトと検索したらダージリンに空港はないらしく、同じ西ベンガル州バグドグラまでゴーエアのチケットが取れた。今年国内旅行にゴーエアを利用するのはカシミールラダックに次いで3度目。

印度に東ベンガルという州はなく、西ベンガル州の東はバングラデシュという国になっている。西ベンガルの州都はコルカタで、ダージリンというのはデリーにおけるシムラ同様、当時東印度会社の本社があったカルカッタのイギリス人保養地としてシッキム王国との交渉で建設された町で、その際チベット語ドルジ・リンが英語風のダージリンという名前に変わった。

飛行機の中で隣りが日本人女性で、行先尋ねたらダージリンとのことだったので、車のシェアを申し出てみる。空港からプリペイドタクシー350ルピーでシリグリという街に出て、そこから乗合ジープに乗り換えてダージリンに登って行くつもりだったが、彼女とその友人のふたりの日本人女性は金額を気にせず空港からタクシーで直接ダージリン行きを選んだ、1,850ルピー。これは正解だった。

乗合ジープではハードな道のりだっただろうと想像するのと、山の上では日暮れが早く、乗合ジープに乗ってたのでは宿が町のどこにあるかわからないまま暗い中を彷徨うところだった。タクシーのシェアはとても助かった。
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ヒルカートロードという英国植民地時代からの山道を2時間弱くねくね登ったタクシーは、ダージリン・ヒマラヤ鉄道のクルシャン駅に差し掛かった。

彼女たちに近くでとてもおいしいモモが食べられるらしいですよ、と勧められ、ツーリストロッジでモモとチャイを頂きながら休憩。
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車中の会話で、アールグレイという茶の木の種類があるかという話題になり、これは中国系の茶葉にレモンの香りを足したものとの結論に至る。そっか、実はお茶のことってよくわかってないんだと反省。

そこからさらに小一時間走ってダージリンの町に入り、予約したチョーラスタ広場下の古いホテルで僕の方が先に降ろしてもらった。彼女たちは町のてっぺんの由緒ある高級ホテル、ウィンダメアを予約しているとのこと、随分差つけられてるなあ…
3日後の帰りのタクシーも一緒しましょう、と約束してここで別れた。

日の暮れたダージリンの町をひととおり歩いてみる。南西から北東に細長い町が尾根に沿って張り付いた感じ。尾根に沿って縦に歩くのは楽だが、横に移動しようとすると急な坂道を上り下りしないといけない。

町でもホテルでもディワリでアルコール販売はできないと冷たく言われ、ホテルの部屋も寒いし、この日はさっさと就寝する。正月が酒なしかよ、ま、ヒンドゥーの祝日だから仕方ないか。

翌朝3時半に起きて、時計台の方に歩いてくと、聞いてたとおり来光を拝みに行くジープの呼込みに誘われた。タイガーヒルまでの往復200ルピー。陽が昇る1時間以上前に頂上に到着すると、もう車とインド人で大混雑。寒さに震えながら太陽が顔を出すのを待つ。
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朝陽に照らされた世界第3位にして印度最高峰カンチェンジュンガと、その下にダージリンの町が見える。

ジープは町へ戻る途中グーム駅を過ぎた辺りでカンチェンジュンガが最も近く見える丘にも寄った。
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そこはお花畑の中をダージリン・ヒマラヤ鉄道がループするところで、地元のおばさんたちが線路の上で朝市を開いていた。

町に戻り、チョーラスタ広場からその上のオブザベトリーヒルに登ると、何やらネパールっぽい門構えの寺院があった。
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マハカーラが本尊らしい
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奥に進むと、チベット仏教の法輪と鹿と雪豹、ヒンドゥーのラクシュミとガネシャとナンディが混在して見える何とも奇妙な祠があり、靴を脱いで中に入ると仏教とヒンドゥーのそれぞれの僧が向かい合って座っていた。
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どうしていいのかわからなかったが、ぽつんと立ち尽くしているのも変なので、チベット式に身体を地面に投げ出すかたちではなく、ブータン風に地面に頭を着けるスタイルで三度五体投地してみせると、仏教僧の方が、これは自分の担当だなという感じで、水を掛けて念仏を唱えてくれたが、その後でどこの国の人間かと不思議そうな顔で尋ねられた。フルに無国籍感醸し出してたかも。因みに英語の達者な仏教僧の方はとても日本人ぽい顔つきだった。

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寺院をさらに奥に下っていくと、ブティア・ブスティというゴンパがある。

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寺院を右に出てさらに細い道を歩いていくと、チベット難民センターに着いた。
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難民センターを通り抜け、門を左に折れて山道をひたすら歩くと、突然ロープウェー乗り場に出てびっくりした。
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ここからはシッキムの州境が見晴らせる。ロープウェーでティーエステイト(茶園)に行けるらしく乗ろうとしたのだが、ゴンドラが少なくて列がなかなか進まないので、チケットを払い戻して、代わりに近くで乗合ミニバス拾ってヒルカートロードを走り、ハッピーヴァレー茶園で降ろしてもらった。
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残念ながらディワリ休暇で工場見学はできず、茶園から町までとぼとぼ歩いて戻る。結構な勾配を上ったり下りたりでもうくたくた。それでも、明日はトイトレインに乗ってみようと駅に出掛けたが、夕方もう窓口は閉まって誰もいなかった。

翌朝、駅に出直してみるが、ハイシーズンの当日チケットは簡単に手に入らない。ジョイライドという隣のグーム駅までのスチームロコモティヴ往復、クルシャン行きディーゼルの二等車20ルピーはどうにもできないが、一等車140ルピーなら何とかすると言われ、かなり待たされた挙句にチケット入手。
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グーム駅まで一駅だけ乗ってグームのゴンパを見学し、帰りはジョレバンガローから尾根沿いに軍の基地の間をトレッキングして町に戻った。
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途中で見かけたこのゲーム、ダージリンの道端で何度も見たけど、大人にも子供にもこのサイコロ博打は大人気。
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というわけでこの日もよく歩き、老舗カフェ、グレナリーズでダージリン飲みながら疲れた身体を休ませる。
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一昨日の印度標準のディワリもドライデーだったが、この日はネパールのディワリとかでやはりアルコール禁止、散々である。

そんなこんなで最終日朝、ダージリンからバグドグラの空港へ戻る道すがら、ふたりの日本人女性がマカイバリ茶園にアポを取ってるとのことで便乗させてもらった。
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世界最高の茶葉を産出するというマカイバリの自然と共存するオーガニック栽培の仕組み、そもそものお茶葉の説明をガイドから受けながら2時間近く茶園を歩いて回った。

茶の種類というのはもともと葉っぱの小さい中国系と大きいアッサミ及びその交配種で、紅茶とか緑茶という茶の木の種類があるわけでなく、それは酸化発酵させるかさせないかの問題です。
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はあ、そういうことだったのか、目からうろこです。

これからお茶を入れるときは、まず茶器を温め、茶葉をじっくり蒸らして、大切にお茶を味わいましょうと心に誓った旅であった。

ところで、彼女たちの話によると、下界から切り離されたウィンダメアホテルの中では、行政指導に関係なく毎日ワインが楽しめたらしい。え!そうなの?



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by phraganet | 2014-12-26 03:03 | インディア

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