キナウル・スピティの旅(2)~スピティ

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キナウルのカルパ村を出て途中ナコで休憩し、10時間近いドライヴに運転手ももうへろへろで、スピティ渓谷に差す陽も随分傾いた頃、ようやくタボに到着した(標高3280m)。

暮れなずむ中、ゲストハウスTiger Denの周りを歩いてみたら、わずかに商店ひとつと、ゴンパの前にみやげ物屋が2軒並ぶだけの鄙びた村だが、ここはグゲ王国からカシミールに渡って仏教を学んだリンチェンサンボが千年以上前に開いた由緒あるゴンパのある聖地である。

既に本堂の扉には南京錠が掛けられていたので見学は明日に回してゲストハウスに戻ると、欧米からの観光客が目立って多かった。メニューにもイスラエル風サラダなどとあったので、カレー、チャパティと一緒に試してみた。
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翌朝日の出と共にゲストハウスを抜け出し、朝のおつとめに参加。
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まだ本堂は開いてないので、その後ゴンパ裏手の丘の斜面に掘られた僧院跡に登る。
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丘の上からは朝焼けのタボの村が一望できる。
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新しい参拝堂は普通にチベット様式だが、右手前に見える古い本堂は、砂漠の中のグゲ王国を思わせる独特の造り。
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一旦ゲストハウスに戻って、チャイとトーストで朝食を済ませてから改めてゴンパに出掛け、本堂内部を見学した。ラダックのアルチゴンパと同様、古いカシミール仏教の流れを汲む仏像や壁画が息を飲むほどに美しい!

タボの村を出発して山道を登る途中、車がオーバーヒートして往生したが、昨夜宿で挨拶したアメリカ人男性ふたり連れの車が通り掛かりに助けてくれて、どうにかダンカルゴンパに辿り着く。おお!素晴らしい眺め。
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てっぺんの本堂で歌うようにひたすら経を唱え続ける僧侶たち。
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この日はスピティ最大の村であるカザ(標高3600m)でイカしたパティオのあるゲストハウスSakya Adobeにチェックイン。
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ここのところ山道ばかりを走ったもんで、カフェや商店が並んでいるのがうれしくてつまみを買い込み、スタッフにビアを運んでもらって部屋の前で一服。ぷはーッ!
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キナウルでもスピティでも、ホテルスタッフの対応が印度標準を遥かに超えてフレンドリーで気が利いている。感心!

モンスーン期のキナウルが寒くて不安だったが、一年中ほとんど雨の降らないスピティは、1000mほど高度を上げたのにもかかわらず、Tシャツで過ごせる気候だった。

商店街を歩いときに、若い白人女性にキーゴンパに宿坊したいがどう行ったらいいかと尋ねられ、僕らも明日行くのでよかったら途中で降ろすよと、一緒することになった。

翌朝、カザのゴンパで例によっておつとめ。
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朝食の後女性と合流してスピティ河東岸を北上しながら高度を上げる。

女性はマリアという名でマドリードに住んでるらしい。職業を尋ねると弁護士とのことで、ほお!と感嘆の声を上げたら、スペインで弁護士の社会的地位はそれほど高くなく、この旅を機に転職を考えているとのことだった。
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丘の上から弥勒大仏が見下ろすランザー村が左に見えてきた。

さらに、世界で3本の指に入るという標高4530mの村、コミック村に進む。
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以前にラサレーのせいぜい3600m程度で空気の薄さを感じたのに、村の中を散歩しても全く息苦しさを感じない。これがキナウル・スピティ反時計回りのメリットで、2200mのシムラから徐々に高度を上げたので身体が順応している。

コミック村にある立派なゴンパ。
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本堂では、高僧に取り囲まれたひとりの少年僧が経の試験を受けているところだった。こんな厳粛な行事の最中見学させてもらってすんません。
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世界一高い郵便局があるという隣のヒッキム村にも寄った。4440mの看板のある郵便局前で、ひたすら村の子供たちを撮り続けるマリア。
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記念にここで葉書か切手でも買おうと思ったら、売切れとけんもほろろに断られた、残念。

ここから車は道を変え、この旅の一番の目的地であるキーゴンパに向かう。

わー、これこれ、この目でひと目見てみたかった!
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こちらも千年ほど前の開山と伝えられる。

キーゴンパの麓では、有難いことにリンチェンサンボ21世の説教中で、周辺から集まった村人たちが熱心に聞き入っていた。
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本堂に登る。

本堂脇に、ダライラマ14世も宿泊した宿坊がある。マリアが泊まりたいと言っていたところだ。中に4部屋ほどドミトリーがあり、3度の食事と2度のチャイにベッドとタオル付1泊250ルピーという説明書きが貼ってある。

ここでマリアともお別れと思ったら、友達と来るんだったら泊まるけど、ここで夜ひとりで何していいかわからない、と急に弱気なことを言い出して、一緒にカザに戻ることになった。それも貴女のスピリチュアルレベル次第で、と言ったら大笑いしていた。

カザから天空の村巡りの最後は、キッバー村に寄る。
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こんな辺境の村にもちゃんとしたゲストハウスがあって、白人男性がテラスに腰掛けているのが見えた。

翌朝、2連泊したカザを出発。

見渡す限り岩山しか見えない荒野の中、運転手がダッバ(ドライヴイン)の前に座ったおばさんと挨拶を交わした。顔見知りのようだ。
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まだお昼には少し早いが、折角なので中に入ってみると、テントの中はびっくりするほど素敵な空間になっていた。ここでマギー(インスタントヌードル)頂く。
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さらにスピティの玄関であるクンズムパス(4550m)、
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クル渓谷とラホールを結ぶロータンパス(3980m)を通過。
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ロータンパスで車を降りて歩いてみた。風が強く、ガタガタ震えるほどの寒さ。

道路沿いの岩陰に、この時期にしか見られないブルーポピーをいくつか発見。
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夕方マナリ到着。
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モールロードにほど近い素敵な宿Johnson Lodgeに入る。
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ああー、なんちゅうか、長旅から無事に戻った充実感と、この素敵な旅が終わる寂しさの両方が一遍に去来するぜ。



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by phraganet | 2016-08-11 03:00 | インディア

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