花ちゃんに引かれてモスク参り

ブハラの2日目。

昨日の経験から朝涼しいうちに散歩しようと6時に起きて、ラビハウズに出る。
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小さな町なので、どこ歩くと言っても限られるが、人通りもまばらな中、まだ全く店開きしていないタキ・テルパク市場を通り抜け、カローンモスクを過ぎて、アルク城まで来た。
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門は西を向いているので朝は逆光になるが、立派な城壁が威圧感を醸し出している。

まだ誰もいないし、門も開いてないので、ベンチに腰掛けて朝の気持ちいい空気を楽しんでいたら、隣に初老の男性が座った。みんながやっているようにアラビア語でアサラムアライコムと挨拶すると、彼はグッドモーニングと英語で答えた。ウズベク系ではないようだ。彼はここのロシア語ガイドだと自己紹介した。なるほど。

しばらく会話した後、8時の開門だが、その前の方が城からの眺めはいいんだ、と言いながら彼が門の方に歩き出したので、着いて行った。門の前には案内板があり、アルク城は4世紀に建築の始まった非常に長い歴史を持つ城で、1920年まで実際にエミールが住んだと書かれている。

ロシア語ガイドが携帯から電話すると厚い門扉の内側で呼び出し音が鳴っているのが聞こえ、しばらくして門を開けてポリスが出てきた。寝起きの不機嫌な顔でガイドに文句言ってるが、その割にはすんなりふたりを通してくれた。ラッキ!

というわけで、ガイドに着いて、誰もいない城内を散歩する。

玉座
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プライベートスペースに繋がるこのクーポラからエミールが城壁の外のレギスタンスクエアに集まった民衆に姿を見せたらしい。
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ガイドが、アルク城もいいが、ここから6kmほど行った夏の宮殿、スィトライモヒホサも素晴らしいと紹介してくれた。帰り際に彼の自作だというブハラの風景画が入ったお土産を買い、お礼に少し多く払って城を出る頃には8時の開門時刻になっていた。

途中、市場で一番に開いた絨毯屋で男性に話し掛けられ、店の中に入った。彼曰く、3日前まで45度を超す酷暑でどうしようもなかったが、それが過ぎた後の到着はラッキーだなと言われた。そうか、今週までもっと暑かったのか。

彼はアーティストでもあり、金属の皿に彫刻して、その作品も店に並べていたので、その中で小さいものをひとつ買った。
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これはナスレディン・アファンディという高名な神学者で、ひょうきんな性格だったそうな。確かにラビハウズ近くに彼の銅像があり、地元での人気は高そう。
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代金10万といわれて、払おうとお札を2枚取り出して渡したら、これは1万だと言って笑われた。あ、そっか、1,2,3,4と5千スム札を20枚数える。

すると、彼が5千スム札の束を持ち歩くのは大変だろうから、新しく発行されたばかりの5万スムと替えてやろうかと言ってくれたので、お願いした。
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おお!
これが普及すれば、ウズベキスタンの旅はずっと楽になるはず。ってか、クレジットカードが使えるようになって欲しいけど、果たしてどっちが早いか?

宿に戻ると、奥さんが僕ひとりのために朝食を用意して待ってくれていた。
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ノンに付けて頂いたアプリコットのジャムは絶品だった!ジャムというよりアプリコットの実を丸ごとシロップ漬けにしてひとつひとつ頂く感じ。

その後、部屋に戻って休憩していたら、パティオに話し声が響いたので部屋から出ると、宿の主人と、若いスタッフのアブザルとボビエが、ノンでブランチ取りながらおしゃべりしていた。3人が飲んでるのは緑茶だ、それも日本のような急須に湯飲み。そうか、ウズベクの人たちはパン食べながらグリーンティを飲むのか。昨日の列車の中での会話が蘇る、なるほど。

アブザルはナルトやポケモンなど日本のアニメが好きで、小さい頃は涙しながらおしんを観ていたらしい。今日はジュムアト(みんなでお祈り)だと言った。うん、マレーシア語やインドネシア語でも金曜日をジュムアトと呼ぶ。

ボビエはタジク語とロシア語の話者で英語はできないが、携帯画面で翻訳を見せ、今夜は皆既月食プラス火星大接近だとうれしそうに伝えてきた。

ウズベク語がトルコ語の系統であるのに対し、タジク語はペルシャ語の系統であるらしい。でもアラビア語で挨拶してるし、いろんなところにロシア語やサンスクリットの影響もあり、さすが文明の十字路、中央アジアだなと会話の中にもダイナミズムを感じた。

アブザルにエスキシャハル(旧市街)でどこのレストランがうまいか訊いたら、そりゃチノールだろと教えてくれた。

台所を覗くと立派な洗濯機があったので奥さんに許可もらって使わせてもらった。
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昨日から歩くたびに汗の量が多いので、シャツや下着のやりくりに助かった。

奥のリビングを見せてもらったら、息を飲むような素敵な部屋だった。わお!
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午後、陽が傾いてから宿を出て、ラビハウズから黄色い小型タクシーを拾い、朝聞いたスィトライモヒホサへ行ってくれと言った。

運転手がこちらを見て、タイラン?と訊くので、え、なんでわかる?イエス、タイから来た、と答えたが、そこは通じなかった。実はカエルダン?というウズベク語で、どこから来た?という質問だった。ヤポンと答えると、おお、ヤポンと嬉しそうにしている。

途中で市場へ行くおばあさんとふたりの孫娘も拾って後ろに乗せた。タクシーが信号の左折で直進車のすぐ前を横切った。怖いな、運転。

と、そのとき、前を走っていた同じ黄色いタクシーが運転誤って側溝に突っ込んだ。びっくり!
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言わんこっちゃない、安全運転心掛けてや~

市場でおばあさんと孫娘を下ろし、ほどなく宮殿に着く。
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接客の間
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奥の池の畔にある宮殿
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その間は葡萄棚の歩道で結ばれているが、白葡萄がたわわに実っていた。
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うーん、ここではきっとおいしいワインが取れるに違いない。

帰りはアルク城前でタクシーを降りた。
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朝は逆光だったので、夕陽に映える城門も撮っておきたかった。

朝と同じベンチに腰掛けていると、今度は隣に若い女性が座った。彼女は大学の史学科を卒業した後、城内のミュージアムに勤務していて、仕事帰りで友達がピックアップしてくれるのを待つという。名前はナルギザ、花という意味よ、と言った。

へえ、花ちゃんなんだ。

今スィトライモヒホサに行った帰りだと言ったら、スィトライはエミールの妻の名で、モヒは月という意味、と説明してくれた。そうか、あれは月の宮殿だったか。

そしてここはレギスタン、レギが砂で、スタンは場所という意味。うん、このあたりの国名は全部スタンだもんね。

すぐ向かいはボラハウズというお気に入りのモスクですが、行きましたか?と訊かれ、知らないと答えたら、一緒に行きましょうと誘ってくれた。ボラハウズは水の上という意味よ。

申し訳ないな、友達と待ち合わせなのに。

大丈夫、友達が着いたら電話くれるから。
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僕が彼女を撮影したら、今度は彼女が僕の横に来て携帯でツーショットを何枚か撮った。どきどきするなあ。

というわけで女性に付いてモスクにお参りするという人生初体験になるかと思ったら、ちょうど友達から電話が入り、若い男性が猛ダッシュでやって来た笑。

花ちゃんは彼とのキスの後、ごめんなさい、ではお先に、と行ってしまったので、結局ひとりで参拝した。どうでもいいけど、ムスリムでも人前でキスするんだな、しかもモスクで…
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城の前に建つエミールのためのモスク、確かに外観も内装も美しかった。
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その後、エスキシャハルをゆっくり散歩したり、買い物したり。
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散歩しながら人々に話し掛けるのに、ホントにいい町だな(言葉は通じないけど)。
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ゲストハウスの素敵なリビングのデザインといい、市場に並ぶ細密画や陶器のアートを見ていると、何度も訪れたラジャスタンを思い起こさせる。やっぱり歴史的に繋がりが深いんだろうな。
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陽が暮れてからアブザルに教わったチノールに入った。イカしたレストランでもやはり湯飲みは日本風笑。

ワインをグラスで頼めるか訊いたら、OKとのことで、まずは白。
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んまい!やっぱりいいワインができるんだ。やるな、ウズベキスタン!

まずはマンティ、包子の中身はビーフ。とろとろの皮もうまい!
デフォルトで皿にマヨネーズが乗っているが、特別なソースはあるのか訊いたら、追加でトマトソースも持ってきてくれた。
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そしてビーフと野菜のシャシリク。赤も十分重くておいしい!
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マイったな、こんな素敵なレストランで、ビーフのシャシリク1万スム(143円)、ヴェジのシャシリクが6千スム(86円)だって!なんじゃ、そりゃ。

今夜も満足のほろ酔いで、涼しい夜風に当たりながら宿に戻る。
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by phraganet | 2018-08-07 23:21 | ウズベキスタン

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by プラがね: