カテゴリ:ブータン( 9 )

先週、事実上の新婚旅行として来日していたブータンのジグメ・ケサル・ナムゲン・ワンチュク国王とベマ王妃が、宮中晩餐会、国会演説、福島県相馬市、京都市と行く先々で心温まる話題を振りまきながら、昨日帰国の途に着いたとのこと。カリスマ性と人間味あふれるすごい人や。

ブータンブームと言えば、国王がまだ王子時代の2006年、ブミポン国王在位60周年の祝賀に来て、タイの女性を大騒ぎさせたのが思い出されるけど、国王の兄弟姉妹は全員バンコクに遊びに来るのが大好きなのだそうだ。

僕が初めてブータンに行った2008年12月は、黄色組が空港を占拠して各キャリアがバンコクへのフライトを出せずにいたときだったけど、そんな中Druk Airがさっさとウータパオ空港から飛行機飛ばしたのも、遊びに来て帰れなくなった王女を脱出させるのが目的だった。

こんなこともあった、

今でこそ僕は好き好んで下町のアパートに移ったけど、バンコクに駐在を始めた当初は、下にイタリアンレストランの入ったランスワンのそこそこ高級なコンドミニアムにいた。

ある日、会社から戻ってくると、入り口に白バイの警官がふたりたむろしてる。ちょっと不思議に思いながらエレベーターに進むとそこにも警官が立ってる。部屋のある11階に昇ると、そこにもまたまた警官。

ええ、不在の間に部屋で殺人事件とかそういうの勘弁してよね、と思いながら自分の部屋の方に廊下を曲がると、びっくり!今度はスーツ姿の女性が立ってる。げ!ここ、僕の部屋なんですけど…。

あの、なんか、ありました?って恐る恐る尋ねると、ブータンの王子がガールフレンドと隣の部屋に滞在している、とにっこり。はあ、なるほど、お忍びでねえ。

それが今の国王だったか、あるいは兄弟の誰か、今となってはわからないけど、どーせなら部屋の前で少し待って、握手でもしてもらえばよかったかと悔やまれる。(笑
[PR]
by phraganet | 2011-11-22 01:10 | ブータン
パロはブータンで唯一の空港のある町、
f0136038_046322.jpg
っても、ひなびた町だけど。

問題! これは何屋でしょう?
窓にガラスも入れず、ドアも開けっ放しの店が並ぶ中で、店全部がぴったり網戸で覆われたこの店、
f0136038_047624.jpg


正解は肉屋。

殺生を嫌うブータン人はハエを殺すことができないので、店にハエが入ろうものなら追い出すのに大変な苦労。
しかし、ここまでやっといてドアの開け閉めでハエ入っちゃったら、どうすんだろ?


あ、やっぱり出た、カロム! 大のおとな達が、かなり真剣。
f0136038_049181.jpg


特にGeneral Shopと呼ばれる日用雑貨店が、店先でカロムのボードを貸していることが多く、夜が更けるまで路上でのカロムが大人気。
f0136038_0492812.jpg


親指と人差し指で輪っかを作り、人差し指でストライカーをピンと弾く、僕が子供のときやっていたのと同じスタイル。でもって、自分のチームのパッドを隅のポケットに沈めていき、最後にジャック(親玉)を沈めたら勝ち。

でも、ストライカーでかいなあ。しかも、インドの女優がプリントしてある。
ボードもインドからの輸入品だって。うーん、これが本場のインド式か?
f0136038_0503685.jpg


ところで、首都ティンプーの若者の間ではスヌーカーが断然人気で、スヌーカークラブがたくさんあるらしいが、パロの町はそこまで発展していない。

そういえばネパールでも、カトマンドゥの街中でカロムは見ないが、ポカラに行ったときは、あちこちでカロムに興じる若者の姿を見掛けた。どこの国でもカロムは「田舎の遊び」なのかもしれない。
f0136038_0511118.jpg

[PR]
by phraganet | 2009-06-11 01:04 | ブータン
ドチュ・ラ(峠)を越えてパロに戻り着いた日、その足で、澄んだ流れのパ・チュ(川)沿いのとある農家にお邪魔した。

f0136038_0243093.jpg


2階の客間に通されると、床に座り込んだ運転手のゴローちゃん(ニックネーム)は早速「女性を口説くメッセージ」なる本を真剣に読み始める。連日山道を何時間運転しても、疲れを全く見せないタフなヤツ。
f0136038_029045.jpg
いくつかお気に入りのフレーズ紹介してくれたけど、全部歯の浮く英語表現ばかり。
これがブータンの若者のトレンドか???

隣りの部屋に目をやると、おお!立派な仏壇。ブータンの民家の中、こんななってるんだ。
f0136038_0323067.jpg


しばらくすると、この農家の娘さんがお菓子とンガジャ(ミルクティー)を出してくれた。
お菓子は、あんまりおいしいもんじゃないけど、取りあえず全種つまんでみる。
f0136038_0345871.jpg


暑くも寒くもない、気持ちのいい空気。
まったりとした時間が流れる中、娘さんから、お酒召し上がりますか?とのお誘い。
まだ日は高いけど、せっかくのお勧めだし、では一口。

f0136038_0423024.jpg

あああ、一口でいいって言ってるのに、竹の筒にいっぱい持ってきてくれちゃった。
ブータンのお酒、アラ。容器こそ違うけど、味はベトナム山岳民族の酒ルオウ・カンと同じだった。
その発祥には、たぶんどっかで繋がりあるんだろうね。
[PR]
by phraganet | 2009-05-28 00:58 | ブータン
あちいー!!
今日はロケ撮影で、風もなく、耐えられない暑さ。 も、ぶっ倒れそう。

ボーっとし掛けたあたまで、年末に涼しい風に吹かれながら歩いた、ブータンの田園風景に思いを馳せてみる。

f0136038_156291.jpg


ブータンの家々が美しいと思うのは、古いうちも新築のうちも、伝統的なデザイン様式で統一されていること。それがまた、川と田んぼが織り成す風景の中にぴったり調和している。

近寄ってみると、民家の壁には吉祥紋や聖獣といった模様が描かれていることが多く、その中に混じって結構人気の高いテーマが男根。

f0136038_2104178.jpg


子孫繁栄を意味する、おめでたい図柄。
最初ちょっと違和感あったけど、滞在してるうち見慣れたね。(笑)

f0136038_214577.jpg

[PR]
by phraganet | 2009-05-26 02:21 | ブータン
ワンデュティンプーで寒いと感じたことは一度もなかったのに、パロで迎えた朝はかなり冷え込んだ。昨夜すっきり晴れ渡っていたのが原因らしい。田んぼに霜が降りて旭に輝いて見える。

今回のブータン旅行のクライマックスは、この地に仏教を伝えたグル・リンポチェが瞑想した聖地、タクツァン僧院へのお参り。空気が薄い中で、果たして元気に登って行けるかちょっと不安。

ホテルを7時半に出発し、麓の駐車場に20分ほどで着いた。まだ日が差していないので、手がかじかむほど寒い。他に人気は全く感じない。森の中へ10分ほど進んで行くと、マニ・ラカンが見えてきた。いよいよここから僧院への登りが始まる。
f0136038_322657.jpg


8時15分、山の稜線より太陽が顔を出すと、さっきまでの寒さが嘘のように暖かくなってきた。息を切らさないよう山道をゆっくり進む。
f0136038_3222089.jpg


45分の登りでカフェテリアに着いた。僧院を見上げながら、ンガジャ(ミルクティー)を頂く。うれしー!
しかし、ホントにあそこに辿り着けるのかね?
f0136038_3225433.jpg


足元に子犬が寄ってきた。僕がビスケットをかじるのを待ってるらしい。仕様がないなあ、はい。
f0136038_3231329.jpg

カフェテリアの裏には水洗トイレもあった。なんだかんだで20分ほど休憩してから出発。カフェテリアからは、左に小さく見えるチョルテンの展望台へと結構険しい登り道が続いている。

9時40分、おお、やっとチョルテンの展望台に到着。
f0136038_3234283.jpg


展望台から岩肌にへばりつくような僧院が真正面に見える。すごい眺めだね、これ。
f0136038_324126.jpg


ここから僧院までジャンプできればいいのだが、せせらぎを聞きながら一旦谷底の滝壺まで下り、そこからまた階段を登らないといけない。
f0136038_3242485.jpg



僧院到着は10時を少し回った。入り口でカメラを預けて中に入る。とても静かで厳かな雰囲気の場所だった。

お坊さんにくっついて、入れてもらえた建物はふたつ。瞑想の洞窟を囲った建物と、その上のお堂では本尊弥勒菩薩、グル・リンポチェ及びグル・リンポチェの憤怒の化身ドルジ・ドロの三像が並び、左右を男女が結合した歓喜仏ヤブユムが守っていた。ブータン流五体投地でお参りする。


下り道では大勢の白人観光客とすれ違った。年配の方が多かったが、Tシャツ1枚で体力あるなあ、と感心する。

お腹を空かせて麓まで降りると、近くのヤク・ハーダーズ・キャンプという、本物のヤクの皮のテントをディスプレイしたレストランへ直行。
f0136038_3244116.jpg

例によって、チュマブ(赤米)に唐辛子や野菜チーズ煮のバフェ。
f0136038_3245731.jpg


いやー、いい経験できたよ、今日は!
[PR]
by phraganet | 2008-12-22 03:30 | ブータン
ローカルに人気の店に行ってみたくて、パロでの昼食にエアポートレストランに連れて行ってもらう。エアポートと言っても空港ではなく、橋のたもとの2階にある、ブータン人で満員のレストラン。
f0136038_1192175.jpg
チュマブ(赤米)に乗っかってるのはエヅィ。グリーンチリ、レッドオニオン、トマトとチーズが刻んである、辛い!
右に茶色く見えるのはスジャ(バター茶)。
おかずはエマダツィ、唐辛子のチーズ煮。
ご飯の奥のスープはチュル、目の前を流れるパ・チュで取れた岩のり。

おいしいもんばっか食べてるねえ、ブータンの人。
でも普段は、ご飯にエヅィだけとか、エマダツィだけという食事らしい。


f0136038_118489.jpg



ワンデュの夜、ノブディン村の朝市でおばさんに勧められた取れたてほうれん草を持ち帰り、ホテルに調理してもらう。きっとおいしいんだろうなー。
f0136038_1174045.jpg
はい、ほうれん草をガーリックとチリで炒めました。  よしよし、どれどれ。

ガブっと頬張ると…、げっ、
何これ、辛すぎやん。しかも、ほうれん草自体がとても、にがい!

こりゃ食えんな、と、ブータンのビールRed Panda Beerをゴクっと一口。
うわ、まずー! 飲んだ後に残る、何ともいえない薬臭さ、 大失敗。


f0136038_120791.jpg



f0136038_1203575.jpg
翌日ティンプーの昼飯はがらりと趣向変えて、チベット麺トゥクパと、同じくチベット風のモモ。これはネパールでは見られないビーフモモ、ほぼ蒸餃子。カレーは掛けずに、赤唐辛子と赤玉ねぎを刻んだエヅィで。


f0136038_1205568.jpg
再びパロに戻って、炒飯食べたい!とリクエスト。例によってエマダツィ(唐辛子のチーズ煮)と大根のチーズ煮、奥はダール(豆のカレースープ)。この日のビールはDruk Lager。ブータン製ビールにはトラウマがあったけど、 ま、これなら飲めるか。

*ブータンでビール飲むときは地元ブランドではなく、シンガポール製Tigerか、ラジャスターン製Foster’sが無難みたい
[PR]
by phraganet | 2008-12-15 01:35 | ブータン
空港もない、駅も信号もないと聞いていた首都ティンプーは、立体交差+片道2車線のハイウェイも完成し、さすがに都会に見えた。

ホテルは交通整理の交差点のすぐ裏、一昨日訪れたガンテゴンパの転生老師ガンテテュルクが経営するホテルだとか。

f0136038_149199.jpg
ブータンの学校は試験シーズンだそうで、朝の通りを走ると、どこの町でも勉強しながら通学する生徒たちの姿が目立った。勤勉そうだね。
総合大学のないブータンでは、高校卒業後インドの大学に進む学生も多い。

ティンプーを出てシムトカを右に折れ、ハに向かって山道を進む。途中道路の舗装工事に何度も出会ったが、働いているのは全員がインド人だ。ブータン人は、自分の家を建てるとき以外、建設労働には携わらないらしい。

f0136038_1503154.jpg
3時間、谷沿いのくねくね道を走り、川原のとても美しいハの町に着いた。ハ・ゾンの一帯はインド軍の駐屯地になっている。

ゾンカ語でインドはジャガー、中国はジャミーと言うらしい。ブータンの周辺国というと、ネパールとの間にあった隣国シッキム、長く覇権争いが続いたチベットがあったが、今となってはそれぞれインド、中国に呑み込まれてしまった。ジャガーとジャミーの二大国に挟まれて独立を保つのは大変なことだと思うが、今のブータンは中国と距離を置き、インド寄りの姿勢を取っている。インドと対立し、中国と友好関係を保ってきたネパールとちょうど逆だ。

f0136038_212487.jpg

f0136038_1511865.jpg
ハで食事をしようということで、ぷらぷら歩き始めたが、町と呼べるほどの広がりがあるわけではない。一応、ブータン銀行の支店は出てたので、両替をお願いする。

f0136038_1515056.jpg
銀行の隣りの民家で少女が洗車しているのはブータンで人気のマルティスズキ。排気量の小さいこれと同じ車に、朝方山道でスイと抜かれた。インド製アルト、恐るべしである。トラックもブータンでは圧倒的にインド製タタが多い。


ハを出てパロに向かうには、ドチュ・ラ(峠:3800m)を越える。
f0136038_1521978.jpg

この日は突き抜けるような晴天で、峠のてっぺんからチョモマリ、ジチョダケがきれいに見えた。
ラッキー!
f0136038_1523610.jpg

峠を下っていくと、この旅の出発点パロに戻り着く。ハからパロまでは2時間。
[PR]
by phraganet | 2008-12-13 02:27 | ブータン
前日にドチュ・ラ(峠:3150m)を越えて入って来たワンデュで、ブータン最初の朝を迎えた。ホテル出発は8時近かったが、深い谷には陽がまだ十分差していない。(写真:ワンデュのゾン)
f0136038_21311130.jpg


車内のルームミラーに下がっているお札はマハカーラ(大黒天:シヴァの憤怒の化身)かな。チベットとかブータンって、怒れる仏像の人気高そう。

ワンデュの町を抜けて車をひたすら東に走らせ、途中ノブディン村で朝市覗いたら、おばさんにほうれん草買ってけと強く勧められて買ってしまう。ホテルに戻ったらダツィ(チーズ)と炒めてもらって晩御飯のおかずにしよう。
f0136038_21321790.jpg


道路はだんだん登りをきつくし始め、頻繁に小さながけ崩れを見掛けるようになる。大丈夫かね、しかし。
f0136038_21324384.jpg

これはチョルテン。仏塔の脇はコルラ(右回り)しないといけないので、どちらの車線を走る車もチョルテンを右に見て通過するよう、道路が仏塔を挟んで二股に分かれている。


2時間ちょっとのドライヴでガンテゴンパが見えてきた。何だか門前町の様相がネパールのチャングナラヤンを髣髴とさせる。
f0136038_21331181.jpg

「山頂の寺」の意味を持つガンテゴンパは、ドゥク派が主流の西ブータンにあって最大のニンマ派(チベット仏教古派)寺院で、400年の歴史を持つ名刹。
f0136038_21373559.jpg

立派なウツェ(中央楼)は新しく建て直されたもので、今年10月の落成式には第4代国王もお見えになったそうである。

建物の神獣に注目してみると、最も大事な位置で隅を守っているのはガルーダ。
f0136038_21375955.jpg

そして、その脇をマカラがセンゲ(雪豹)を従えて固めている。
f0136038_21382823.jpg


村の広場まで下りてくると、男たちがわあわあ叫ぶ声が聞こえ、何か祭りでも始めたかと思ったら、クルと呼ばれる投げ矢で遊んでいた。5、6人ずつの2チームが20メートルほどの距離を挟んで、交代で相手チームの的を目掛けて矢を投げる。お互いが相手を威嚇したりしているので喧しい。
f0136038_21385872.jpg

見事に当たると、これまた大変!
f0136038_2139362.jpg

歌いながら手足を上げて踊り始めた。あはは、見てて飽きない、これ、面白い!


ガンテゴンパの奥に、ポブジカの谷が広がっている。
f0136038_21401931.jpg

谷底は湿原になっていて、ここに11月から3月までチベットからオグロ鶴が渡って来る。棲息地に近づくことは禁じられているので、観察センターから望遠鏡覗いて見ると、鶴が湿原に首を突っ込んで餌を探している姿が見えた。

僕のカメラでは小さな白い点にしか捉えられないが、一度数羽が泣き始めると、そのかすれた泣き声は谷中に大きくこだまする。
f0136038_21404684.jpg

ところで、鶴はチベットから渡ってきたときも、ポブジカの谷から旅立って行くときにも、必ずガンテゴンパの上空を3周旋回するとの話だった。

村人にとっても、谷の守り神である鶴は大切な存在で、この谷には電線が張られず、各家庭はソーラー発電で対応している。
こういうとこ、きっちりしてるね、この国。
[PR]
by phraganet | 2008-12-10 21:53 | ブータン

天国への長ーい階段

先週木曜日の会社帰り、連休前夜恒例のタイ民族大移動が始まり、国道に車のライトがぎっしり繋がった渋滞の中、僕は携帯電話でDruk Airのマネージャーと話していた。

前日に反政府デモ隊の撤退が始まり、金曜日早朝のパロ行きコンファメーションが取れたものの、まだスワンナプーム国際空港の搭乗準備が整わず、今夜0時までにBITEC国際展示場でチェックインするようにとのこと。

正月以来、連泊するような旅行には一度も出掛けてなかっただけにとても楽しみにしていたブータン行きを、今回の空港閉鎖騒ぎで実はすっかり諦めていた。行けるという知らせはうれしいが、ニュース映像で観たあの混沌の中に自分の身を投じるかと思うと気が重くなる。人込み苦手やし。


f0136038_1851712.jpgとは言え、タイの祝日を活かす最大のチャンスを逃すわけにはいかず、旅行荷物をまとめてBITECにタクシー走らせると、モーターショーにも使われる建物のひとつが臨時ターミナルに様変わりし、そこには乗客たちのやっと帰れるという安堵感と、トンでもない目に遭ったという疲労感が充満していた。

ここでチェックインと出国審査まで済ませ、「GATE」と書かれた、要は展示会場裏口からバスに乗ってチョンブリ県にあるウータパオ空港まで運ばれていく。

パロ行きKB123の窓口に来て搭乗手続きしたのは、どういうわけか僕ひとりだった。後は20人ほどのブータン人団体が一組と、僧侶4、5人を含むタイ人巡礼グループ30人ほどが、大量の荷物と共に座り込んでいるのが見える。ブータン人団体の中で背広着たおじさんに話しかけてみると、彼らは政府のミッションでマレーシア行くはずだったのにバンコクで足止め食らい、結局マレーシアには行けず仕舞いのまま、やっと帰国の途に着くとのこと。いや、ホント、お疲れ様っす。

ブータンに仕事かと訊かれたので、いや違う、観光だと答えたら、観光ビザは高いだろうとおじさん。そう、ブータンではバックパッカーに敷居を高くする政策で公定滞在料金があるが、これ振り込まないことにはビザが出ないもんだから仕方ない。いやいや、友達見つけてインヴィテーション書いてもらわないと、と言うので、そんな手があるのかと名刺をねだったら、農業局ガネシャと書いてあった。んじゃ、今度からガネシャにお願いしよ。(笑)


f0136038_18515631.jpg結局BITECで2時間半ほど待たされ、そこからさらにまた2時間バスに揺られてウータパオ空港に着いたのが4時半。出国審査を終えている僕らはウータパオのターミナル玄関ではなく、滑走路に入って、ターミナル出口から待合室に逆流した。

待ってるうち、今度はミャンマーからのハッジグループと一緒になって大混雑。彼らは一生に一度のこの機会のため車や家を売って巡礼に参加しているので、それこそ帰るに帰れないと思う。6時半、辺りが明るくなってきた頃、やっとDruk Airの呼び出しが掛かる。やれやれ。

乗り込んだA319はモニターもない質素な内装だが、新しく小ざっぱりした感じだった。機内ではゾンカ語、続いて英語アナウンス。ゾンカ語はチベット語とほとんど同じような言葉で、文法は日本語そっくりだそうだ。因みにゾンカ語で1,2,3,4は「チ、ニ、スム、シ」と数える。ただCAはブータン人に対しても英語でサービスしていた。さすが、小学校から国語以外は英語で授業する国。


飛行機が途中ガヤに寄ると、タイ人全員が仏陀縁の地に降り立ち、代わりにお参り終えて国に戻るブータン人が乗り込んできた。ガヤからパロまでほんの40分。飛行機は高度を下げ、谷に沿って右に左に蛇行しながら棚田の間を縫って飛んでいく。まるで映画でも観ているように芸術的なフライト。
これが噂の桃源郷か。
f0136038_18532175.jpg


ついに、到着。定刻10時40分。
f0136038_18541714.jpg

あれれ、ブータン人はみんなさっさと入国し、観光客は僕ひとり?? つい先月までフライトもホテルも超満員って話だったのに、いきなりオフシーズンかよ。でも、これって、ラッキーかも。
f0136038_18551634.jpg

入国審査の上に大きく並んだ写真、先月第5代国王が新しく戴冠したお祝いムードほやほや。しかし、力強く聡明なリーダーがいる国というのはうらやましい限り。

入国も通関もスムーズだったけど、唯一受けた質問は「煙草は?」
ブータンは4年前から「禁煙国」になっている。
煙草は吸わないと答えると、それはよかった、と税関。


こうして、僕の長い一日は続いていった。(写真:パロのリンプン・ゾン)
f0136038_18555824.jpg

[PR]
by phraganet | 2008-12-07 18:59 | ブータン

アジアを歩けば何に当たる?タイやインドでの煩悩な日常と、気ままな旅のメモ


by プラがね: