もっと閑な毎日になるかと思ったら、何せ22年も海外に暮らしたもんで、住民票入れてマイナンバー受け取ったり、日本の携帯番号買ったり、なんやかやと手続きに追われる日々になった。
そんな中、三軒茶屋の出汁番長の店「鈴しろ」で、おまかせ絶品料理に合わせて石鎚のひやおろしを頂いた。前にこのカウンターで七本槍頂いたら、その後思い掛けず蔵元を通り掛かる偶然があったが、不思議なもので今回も口にした酒の地元に引かれる運命になった。

11月に入って大阪のとあるパーティで、以前ネパールとブータンに挟まれたシッキムを一緒させてもらったシゲさんと再会し、アウトドアのエキスパートである彼から、次は石鎚山を狙うと聞いて、迷わず同行を申し出た。キタッ!
伊吹山はかつて修験の場であり、古くは日本武尊が伊吹山の神との闘いで致命傷を負ったと伝えられる。登山口から1,377mの山頂まで岩がゴロゴロする5kmの登山道。そう言えば、子供の頃この石灰岩の山はセメント製造のため盛んに採掘されていた。



翌朝、駅から仰ぎ見た石鎚山。四国随一の霊峰にして西日本最高峰。






夜明し峠を過ぎると、頂が視界に入る。




フィジカルに先を行くシゲさん。




弥山でカップヌードル食べて早々に下山。15時のロープウェイに間に合って、予定通りバスで西条駅に戻り着き、特急しおかぜに乗って松山へ。
因みに、IcocaとかSugocaとか、どこのJRにもそれぞれICカードがあると思ってたけど、JR四国にはないらしく、松山駅の改札で、駅員さんが木製の柵に並んで立つ姿が懐かしく思えた。
市電で終点道後温泉へ。








帰りに水を買おうと入ったスーパーマーケットで見たサボテンの実、このときはタイやベトナムで食べるドラゴンフルーツの淡白な味を想像したが、このフィコディンディア(イタリア語で印度の無花果の意味)のシャーベットを翌日カルタジローネのカフェで頂き、その優しい甘酸っぱさに惹かれることになった。

カルタジローネへ日帰りで出掛けた翌朝は、恒例の朝市巡り。




あ、果物屋さんにフィコディンディアが並んでる、と思って手を出したら店のおじさんに叱られた。目には見えないが、表面が小さな棘にびっしり覆われているので、触ると後でチクチクが止まらなくなる。

んまい!
皮の色の赤い方が味が淡白で、オレンジのものが甘酸っぱさのバランスが良くおいしかった。
ここカターニャにももちろんグレコローマン時代からの遺跡が残っていて、ステシコロ広場ではコロッセオ跡が見られる。







夕方、ドゥオモ向かいの教会に上らせてもらうと、街に沈む夕陽がきれいに見えた。


すっかり陽が暮れ、これから広場に降りて呼込みに誘われて食事を決めるのも癪なので、何か市場飲みみたいな店はないかなと検索したら、西へ数分歩いたところにKitsch、その名もキッチュな店がヒットした。
店に向かう途中で素敵な食材屋があり、めちゃんまいエクストラヴァージンオリーブオイルと、フィコディンディアのジャムをお土産に買った。
もしかしてキッチュが人気店で、予約なしで入れなかったらどうしようと思ったが、大通りを離れるとすっかり静かな雰囲気。





ホールのお兄さんにも、厨房のおばさんにもブラボーとお礼言って出たら、店の外で足がもつれて歩道の植木に突っ込み、まるで猛獣にでも襲われたかのように腕の無数の引っ掻き傷から流血の惨事に。
道路脇のキオスクのおじさんが、店の奥から消毒液持ち出して両腕に掛けてくれた。シチリアのみなさんの暖かさに支えられて旅させてもらってます、グラッチェ、グラッチェ!
通りでは、クラプトンをいい感じに歌い上げてたんで、おひねり。

最終日、フライトは午後なので、荷物を預けて、もう半日カターニャの街歩き。
ドゥオモ広場の昼の様子、手前は象のオベリスク。クメールっぽいと言えばいいのか、ヨーロッパらしくない不思議なオブジェ。



ちょうどギリシャのタベルナとか、トルコのロカンタみたいな。
フランスだとビストロか、イタリアではトラットリアと呼ぶのかな?
まずはアンティパストミスト。



と、ぎりぎりまでおいしく楽しい時間を過ごし、ゲストハウスの前のバス停からALIBUSに乗って空港へ移動した。
出発ターミナルから正面にエトナ山が見えた。
